▼2号機Ver.3 専用プリント基板で実装
(実は同じものを2つ作ってしまっていたりしますw)
▼2号機Ver.2 5号機の知恵を取り入れ、ピンヘッダで中心を支えるように
▼初期版は 2011/06/05 に完成していました。このサイズじゃ液晶なんて大きくて入らない…と思っていたら、のちに小型液晶が登場、コード名の表示機能を装備できるようになりました。
1号機よりもコンパクトになり、外付け音源チップなしで6重和音の正弦波(減衰付き)を鳴らせるようになりました。
電源
充電式 1.2V NiMH x 4 本(1号機と同じ)= 4.8v これでほぼ 5v に近い電源を確保
消費電流
待機時20mA程度、適度な音量で発音時に30~40mA程度。1号機よりも低消費です
3v程度の低い電圧でも動くIC(AVRマイコン、74HCシリーズ、LM386)だけを使っているので、電池が消耗しかけていても動くようです。
試しに3vの太陽電池だけで動かしてみたところ、一応動作しました。このときの待機時消費電流は15.5mAでした(関連ツイート:[1][2])。
ただ、AVRのデータシート(28.3 Speed Grades) によると、クロック16MHzではおよそ 4V を下回ると Safe Operating Area を外れるので、「一応動く」という程度で考えていたほうがよいようです。
製作アプローチの違い
1号機のときは、いきなり実験基板を作って、それに合わせてケースを作って次々と改造を繰り返しながら進化していきました。
2号機では、限られたスペースに収める必要があったため、先に使いやすいヒューマンインターフェースのレイアウトを決めていき、どこまで機能を盛り込めるかを考えながらケースに合わせた形に基板を切り取って配線しました。
透明プラスチック(アクリル)ケース
外形サイズ 177mm x 81mm x 32mm (突起部含まず)
動画
2011/06/14
[ニコニコ動画]
2011/11/23
[ニコニコ動画]
秋月の100個入りタクトスイッチを活用
1号機では全部黒いボタンだったため、カラフルなLEDでコードの色がわかるようにしていました。
これに対し2号機では、最初から色のついた100個入りタクトスイッチ(秋月で購入)を活用、MIDI Chord Helper の画面と同じ配色で配置しました。各色10個ずつ入っているので、同じ色を9個の固まりで配置するのにちょうどよかったです。
ただし両端の緑のゾーンだけはボタンが12個必要で、緑だけでは2個足りないので、茶色のボタンで補っています。
このタクトスイッチは、ボタン露出部が普通のタクトスイッチよりもちょっと長めです。
このため、2mm厚のアクリル板越しに穴から露出させてもきちんと押せます。
→ 横から見たところ
使うボタンは合計48個なので、タクトスイッチが半分ほど余ります。その大半は白と黒なので、これを活用すれば3オクターブ程度の普通のMIDIキーボードを作ることもできたりします。
マトリックス方式で実装
1号機の最終形と同様、あらゆる組み合わせの同時押しを可能にすべく、全48個のボタンにダイオードを配置したマトリックスを組んでいます。ダイオードのカソード側とLEDのカソード側と共通にし、ダイナミック点灯時のスキャンと同時にキーボードのボタンON/OFF状態を読み取れるようになっています。
ピアノ鍵盤と同じ配置のLEDで音階表示
ピアノの鍵盤状にLEDを配置することで、今出ている音階が一目でわかるようにしています。1号機で使っていた7セグメントLEDは2号機では使わず、シンプルな構成にしました。
オクターブ調整VR
オクターブ調整は長めの直線VRで行います。MIDIで使う音域(半音単位で128、約10オクターブ)をほぼカバーし、アナログ値で音域の上限下限を連続的にシフトできます。
コードボタンでトントン押して鳴らしながらVRをスライドすると、音域が次々と変化して気持ちいい音を楽しめます。
音源
1号機のときは、Arduino(ATMEGA328)自身で和音を出す方法がわからなかったため、
外付けの音源ICを使っていましたが、2号機ではATMEGA328自身に和音を出させることに成功しました。
[音源の実装詳細]
なお、この機能は現在 PWMDAC_Synth ライブラリに引き継がれています。
MIDI
基本的には、1号機とほぼ同じ回路ですが、MIDI Enable ピンは Arduino でいうデジタルピン2番、つまりATMEGA328の4番ピンに変わっています。PWM 出力ピンとUARTシリアル通信(TxD/RxD)との隙間のピンに割り当てました。
出力MIDIチャンネルはボタン操作で変更できるようになっています。
その後の改良
ADSR方式のエンベロープにも対応。 2012年1月5日からはサイン波だけでなく、のこぎり波、矩形波も出せるようになりました。
2012年3月からは、音源部分をArduinoライブラリ化しました。
さらに液晶も増設。→ 2012/12/13 CAmiDion blog – I2C 8×2 液晶を増設
2号機以降の機種は基本的な回路はほぼ同じにし、液晶やオクターブ調整VRなどが異なるだけの構成で、Arduinoスケッチを共通で使えるようにしてあります。
2013/01/13 air variable – hwoff(ハードウェアオフ)に初参加
2013年3月からはドラム音でリズムを刻むメトロノーム機能、さらにその1ヵ月後の4月からはアルペジエータも実装しています。
5号機で使っていいなと思ったBTL方式のアンプICを2号機でも採用しました。→ 2013/06/02 アンプICを変えてみた
2013/06/15 結局、分解しました。[分解したあとのケース]
その後、スピーカー、基板、ケースなどを新しいものに変えて作り直しました。
ほぼ1ヵ月後の2013/07/15に新2号機(2号機ver.2)が完成。
2013/07/16 CAmiDion 2号機改良版 ついに完成
2014/03/15 5号機ver.2の完成から1ヶ月後、2号機ver.2を分解。潤滑剤まみれになって寒さに弱くなったボタンの劣化改善と、5号機のように液晶を基板に装着する改善を行うべく、2号機ver.3へ向けた製作を開始。
2014/04/21 途中でプリント基板化の方向へ
- 2014/04/21 KiCadで本気出してCAmiDionの基板設計してみた
- 2014/05/05 CAmiDionの基板をFusion PCBに注文しました
- 2014/05/19 CAmiDionのプリント基板が無事届きました!
- 2014/05/25 【動画あり】専用プリント基板で作ったCAmiDionの動作確認が完了
2枚の基板のピンヘッダ接続
基板は2層になっていますが、両者は2×10ピンヘッダ・ピンソケットでつながっています。10×2 連結ピンヘッダを上側のボタン基板中央につけることで、配線の最小化と、ボタンの押す力に対する支えとして機能させます。
秋月の2×40連結ピンヘッダをうまく切れば4個確保できる計算。高さは6/9/3を選んで下の基板の高さをナットとスプリングワッシャーで調整してちょうどよいくらい。一方、10×2ピンソケットは、下側のメイン基板につける、上記ピンヘッダの差込口。高さ8.5mm。こちらはカット不要なものが秋月で入手できます。
アンプ部
スピーカー:若松通商で扱っている四角い小型スピーカー(8Ω 2W 28.5mm x 40mm)を使用。
アンプIC:HALTEK HT82V739(適応ICソケット:8ピン)低電圧1.2Wオーディオアンプ。
BTL方式でスピーカーへの電流を+-の両方に振っているので、スピーカーはGND端子には接続できないことに注意。
丸型可変抵抗(スイッチ付き):50kΩ(A または B カーブ)
音量調整に使います。Bカーブでも使えないことはないですが、Aカーブのほうが小さい音量で調整しやすいでしょう。スイッチ付きにすることで電源スイッチと兼用にします。